マニア好みの歌が聞こえる昭和歌謡の番外地、「私的 大衆歌謡考」シリーズ、第3弾!和製ポップスやハイカラ歌謡曲と青春を共にした、かつての若者たちに贈る「言葉のオルゴール」。夜を徹して同行の士と語り合うには最適すぎる、懐かしのテーマが満載!
◆(『レコード・コレクターズ』掲載記事より抜粋) ジャケットやイラストを掲載せずに文字の力だけで読ませるというコンセプトは、宣言通り一切の図版がなくとも歌謡曲とその時代背景が活き活きと描かれる著者の圧倒的な筆力に毎度のことながら感嘆しつつ、今回も貪るように読了した。(鈴木啓之)
◆(以下、本書「目次」より) はじめに ●エミー・ジャクソン『涙の太陽』がくれた小さな誇り ●J-POPへの黎明、ブルコメ『青い瞳』誕生の必然 ●沖縄発の「国際感覚」を証明した中島安敏兄妹 ●加山雄三、二つのデビューアルバムの謎 ●弾厚作の「天才の証明」 ●ふりむけば、ピーナッツの向こうに岩谷時子がいた ●岩谷時子が歌謡界に持ち込んだ「官能世界」の本質 ●岩谷時子とジャニーズの接点 ●ゆずと五輪──「栄光」という名の架け橋 ●日本語の奥深さをお座敷で考えるのも悪くないじゃない ●第二の松尾和子は、なぜ出現しないのか ●第二のフランク永井が出現するための条件 ●佐伯孝夫が仕掛けた「一人アンサーソング」の禁じ手 ●ムードコーラスに「ハワイの魔法」を持ち込んだ人々 ●ラブソングに覗く、大橋節夫の真骨頂 ●熱く歌わぬハワイアン、縁も運べば癒しも運ぶ ●バーブ佐竹はいつから「バーブ」になったのか ●「夢のハワイ」と「話法歌謡」にアロハ・オエ ●昭和三九年、戦後歌謡の集大成は『お座敷小唄』だった!? ●縦に書くか、横に書くか。歌謡曲のあしたはどっちだ!? ●タカオカンベの仕事力と、カタカナ表記の筆名力 ●歌は世につれ、時代とともに「歌本」も変わる ●元祖アイドルグループを明るく支えた「吹奏楽ポップスの父」 ●「みナみカズみ」と「安井かずみ」と「漣健児」の三角関係 ●スリー・ファンキーズの異質ソングから覗く顔 ●「藤圭子」という作品に封印されたもの ●純粋詩人か、歌謡作家か。孤高の作詞家・宮川哲夫の懊悩 ●「はいからはくち」と「天才與(と)白痴」、母国語ロックに挑んだ人々 ●大滝詠一、大瀧詠一、多羅尾伴内、しかして、その実体は ●レコード文化と命を共にした、大瀧詠一の「趣味趣味音楽」 ●小津安二郎・成瀬巳喜男の世界を持ち込もうとした小市民的作詞家 【解説】石川まり子 【曲名索引】 【主な人名&事項索引】